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ホテルを利用されるお客様
私がホテルマンとしてはじめてホテルに勤務したのは、大学生の時。
アルバイトとして時給500円ほどで働いたのがこの業界入りのきっかけで、当時18歳。
世間の常識も知らず、アルバイトとして上司の言われることだけをしていたように思います。
良いサービスなんて言われても、何が良くて何が悪いのかも分からず、こういう場合はこうするものだという調子で仕事を教えられました。料理の味を覚えたのも上司の目を盗んでのつまみ食い。いろんなものを食べました。仕事は、いつも楽しかった。いやな先輩もいたけど、気が付いた時には、就職もせず配ぜん人としてホテルで働いていました。バブリーな時代で仕事はいっぱいあったし、同年代の友人の初任給よりも収入も多く、よく遊べた。
「ホテルは資本主義社会のお城」ということ言葉を聞いたのもその頃。
誰が言ったのかは知らないけれど、小さな感動を覚えた言葉でした。ホテルがお城ならお客様は王様お姫様だなって思いました。
ホテルを利用されるお客様。
自分がその立場になって初めて気付くことがたくさんありました。
お客としてホテルに行くというだけで、ついつい一番お気に入りの服を選び、髪をセットして、靴も磨いて気合十分。高いお金を払っているのだからとにかく良いサービスが受けられて当然だと思ってしまう。これこそ純粋な客心理かなと思いまいた。お客様ってこんなことを思うのだと思うようになってサービスに対する考え方も変わりました。一流のサービスを探求していくと終わりはありませんが、今は、目の前のお客様一人一人に喜んで頂くことが、一流のサービスへの一番の近道かなと思っています。 |
2000/8/26 |
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